ドンダー空隙
- 【読み】
- どんだーくうげき
- 【英語】
- Space of Donders
- 【辞典・辞典種類】
- 新編咬合学事典
- 【詳細】
- 下顎が安静位にあるとき舌背と口蓋との間に現われる空隙。GPT-6では、下顎と舌が生理的安静位にあるとき、舌背と硬軟口蓋の間に現われる空間。Dondersによって名づけられた、と定義されている。嚥下時に歯列が咬合接触位をとると、舌が挙上されてドンダー空隙は徐々にせばめられ、食塊は舌と口蓋との間を後方へ押しやられる。そのためドンダー空隙は、嚥下時の食塊の通路として重要な意味をもっている。無歯顎患者では歯による咬合接触が得られないため、口唇の周囲の筋を緊張させて下顎を固定し、上下顎歯槽堤の間に舌を挿入して嚥下を行なう。このため無歯顎患者のドンダー空隙は有歯顎患者よりも一般に広い。逆に分厚い義歯床などによってドンダー空隙が異常にせばめられると、空隙を回復しようとして下顎全体が前下方に偏位し、その結果、咀嚼筋の反射的収縮と長時間にわたる上下顎歯の異常接触が起こり、筋や歯周組織を疲労させる原因になる。