ナソヘキサグラフ
- 【読み】
- なそへきさぐらふ
- 【英語】
- Gnathohexagraph
- 【辞典・辞典種類】
- 新編咬合学事典
- 【詳細】
- 3次元6自由度の計測能力をもつ下顎運動計測/解析装置。筋電図、咬合音、顎関節雑音の計測/解析を含め、顎口腔機能の総合解析能力をもっている。1994年、鶴見大学歯学部と(株)小野測器により開発された。それぞれ3個のLED(発光ダイオード)を取りつけた下顎用フェイスボウおよび上顎用ヘッドフレームからなる標点部と、測定スタンドの上下に取りつけた2台の2次元高速CCDテレビカメラからなるセンサ部と、専用画像処理ハードウェアによって構成されている。フェイスボウの重量は12g(クラッチ別)、ヘッドフレームは120gである。フェイスボウとヘッドフレームを装着してチェアに腰かけた患者の下顎運動を、約1メートル離れたところに立てた測定スタンド上の2台のCCDテレビカメラにより非接触で計測する。下顎上と上顎上に3個ずつ配置したLEDからなる各標点グループは、いわばそれぞれ下顎三角と上顎三角に相当しており、ステレオ画像処理演算で下顎三角の運動データから上顎三角の動揺データを差し引くことによって、上顎に対する下顎の運動をコンピュータ計測できる。
標準的な計測部位は下顎切歯点で、その3次元運動の前頭面、水平面、矢状面投影および3次元運動軌跡の他、時間軸波形、3次元運動アニメーションなどをモニタ上に表示できる。運動軌跡上の計測精度は±0.15mmである。切歯点の他蝶番軸および全運動軸の矢状面投影すなわちそれぞれの顆頭点の位置と運動軌跡の計測がオプション・ソフトにより可能であり、任意点の計測はLEDポインタ、またはキーボードを用いて計測部位を指定することによって、最大50点まで行なえる。筋電図、咬合音、関節雑音の計測/解析はいずれもオプション・ハードおよびソフトを追加することにより可能である。(株)ジーシーから市販されている。
【仕様概要】
1)データ処理部機能
(1)計測データ表示:3次元6自由度運動軌跡、2次元運動軌跡、時間軸波形
(2)計測データ記憶/再生
(3)記憶データ解析:1階/2階時間微分、スペクトル演算、1階時間積分
(4)筋電信号8チャンネル(オプション)
(5)関節雑音2チャンネル(オプション)
(6)咬合音2チャンネル(オプション)
2)CCDカメラ部
(1)画像素子:高速電子シャッターつき2次元CCD素子
(2)走査速度:90フィールド/s(ノンインタレース)
3)画像処理部
(1)CCDカメラ入力:2チャンネル
(2)リアルタイム画像処理プロセッサ:2チャンネル
(3)記憶装置:HDD×1、FDD(3.5inch)×1
(4)ビデオ・ミキサー:VGA用
(5)インターフェース:VGA、KBD、マウス、プリンタ、COM、SCSI(オプション)
(6)LEDコントローラ:2チャンネル(3個/チャンネル)