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バイカスピッド・プロテクテッド・オクルージョン

【読み】
ばいかすぴっど・ぷろてくてっど・おくるーじょん
【英語】
Biscuspid protected occlusion
【辞典・辞典種類】
新編咬合学事典
【詳細】
下顎の側方運動を第1小臼歯によって誘導させるような咬合形式。臼歯離開咬合を目的として付与される。Slavicekらによると各歯の誘導路長は中切歯、側切歯、犬歯、第1小臼歯、第2小臼歯、第1大臼歯および第2大臼歯の順に、それぞれ平均4.0mm、3.6mm、4.5mm、2.5mm、2.6mm、2.7mmおよび2.6mmで、犬歯の誘導路長が全歯種のうちでもっとも長い。そのため側方運動のガイドに用いるためには犬歯がもっとも適している。
バイカスピッド・プロテクテッド・オクルージョンは犬歯の機能不全や欠損のため、下顎を誘導する能力が欠如する場合に犬歯誘導の代わりに用いられる。第1小臼歯は優れた解剖的形態をもち、顎関節から比較的遠い位置に植立しているため、大きな側方圧を受けにくい。そのため第1小臼歯は犬歯に代わり側方運動中に下顎を誘導するのにもっとも有利な歯とされている。この点、第2小臼歯はやや不利といえよう。もしも第1小臼歯と第2小臼歯をともに側方運動のガイドに用いなければならない場合には、グループ・ファンクションを付与すべきであろう。