ピボット
- 【読み】
- ぴぼっと
- 【英語】
- Pivot
- 【辞典・辞典種類】
- 新編咬合学事典
- 【詳細】
- →オクルーザル・ピボット
対合歯と不均一に接触し、支点として働き2級テコ現象を発揮するように設計される顎関節症治療のための口腔内装置で、対合歯と不均一に接触するように設計され短期間の使用に限られる。
適応症としては円板転位による開口障害があげられる。本装置使用に前後してマニピュレーションが行なわれる。
スタビライゼイション装置、前方整位型装置についで広義のスプリントのひとつに分類される場合もあるが、作用機序からピボットとして区別する考え方もある。
これを提唱したSears(1956)は矢状面像でテコ現象の意義を論じたが、これに対しては筋の付着位置から異議が唱えられた(Posselt 1962)。
現在では接触部を円板転位側に限る形式が用いられる場合が多くなっている。これは、平衡側の干渉と同じ種類の干渉を中心咬合位に対しあえて付与することにより、反対側の閉口筋の力を円板転位側の下顎頭を下方に牽引する力に変換するものである。就寝時のみの装着とし、装着期間も1週間が標準である。
本装置は顎関節の病的状態を変更するもので、開口障害が緩和された場合にも家庭療法、行動認識療法をはじめとする療法を行なうことが必要である。