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フランクフルト平面

【読み】
ふらんくふるとへいめん
【英語】
Frankfort horizontal plane
【辞典・辞典種類】
新編咬合学事典
【詳細】
眼点と耳点とを含み、頭蓋を水平に横切る解剖的水平基準面。眼耳平面とも呼ばれる。GPT-6では、右または左の眼窩周縁の最下点(オルビターレ;OR)と右または左の外耳道周縁の最上点(ポリオン;PO)を含む平面と定義されている。アキシス・オービタル平面(軸眼窩平面)とは後方基準点が異なる。1882年にフランクフルトで開催されたドイツ人類学会の第13回総会で採用され(フランクフルト合意)、最終的に1906年モナコにおいて頭蓋計測ならびに頭部X線規格撮影統一のための国際協約によって合意された。この平面は身体を直立しているときにほとんど水平になるとされている。眼点は、通常、眼窩下縁の最下点をいうが、頭部X線規格写真法では、両側眼窩の最下点の中央を意味する。耳点は、耳珠上縁点をさすのが普通であるが、頭部X線規格写真法では、外耳道の最上縁の点を意味する。上條(1966)のまとめた骨学的データに基づき、歯科医学で用いられる各種の水平基準面とフランクフルト平面のなす傾きを図上解析し、フランクフルト平面に対してCamperによるカンペル平面は約17度前傾し、Gysiによるカンペル平面は約12度前傾し、McCollumによるアキシス・オービタル平面は約2度上方に向かうがほとんど平行で、Guichetによるアキシス平面は約8度前傾し、軸鼻翼平面は約18度前傾するという結果が得られた(保母ら1993)。ちなみにアキシス平面はトランスバース・ホリゾンタルアキシスと上顎中切歯切端から眼窩下縁に向かい43mmの点を含む水平基準面をいい、保母ら(1995)により命名された。フランクフルト平面は安定した再現性の高い水平基準であるため、下顎の位置や運動を測定するときの水平基準面として使用される。デンタータス、ハノー・モデルHなどの咬合器ではこの平面を上顎模型を取りつけるときの基準に使っている。
→水平基準面