フリーウェイ・スペース
- 【読み】
- ふりーうぇい・すぺーす
- 【英語】
- Freeway space
- 【辞典・辞典種類】
- 新編咬合学事典
- 【詳細】
- →安静空隙
下顎が安静位にあるときに上下顎の歯の間に現われる一定の間隙。GPT-6では、安静位における咬合高径と咬合位における咬合高径の差、と定義されている。フリーウェイ・スペースfreeway spaceは同義語であるが、GPT-6から不適切用語となった。安静空隙は補綴臨床において無歯顎の咬合高径の決定に用いられる。咀嚼時および嚥下時そしてスポーツ・力仕事時には安静空隙は消失する。顎口腔系を健康に保つためには不必要なクレンチングなどの歯の接触を避けることが重要である。
無歯顎の咬合採得時に鼻底部とオトガイ部に定点を定め、この距離から安静空隙を減じたものを垂直顎間距離とする方法が古くから用いられ、安静空隙は無歯顎補綴で重要な役割りを果たしている。角田ら(1952)によれば、安静空隙は平均1.4mmで、最小0.5mm、最低2.8mmの範囲内にあり、石川ら(1971)、川添(1972)もほぼ同様な結果を報告している。Ramfjord(1966)は臨床的に測定された安静空隙は咬合面部で平均1.7mmであるが、筋電図的に筋の活動が最小であるときの距離は平均3.29mmもあり安静空隙に幅のあることを報告している。そして、この安静位域内でも、ある程度の筋の緊張がみられ、それは心理的な緊張や疼痛、咬頭干渉などによって影響を受け、また臨床的に安静位を測定する場合にも、感情や神経筋系に対する外受容体や固有受容体からの衝撃によって影響を受け、その測定値がいろいろな因子によって変化する可能性があることを示唆している。山下(1976)は、下顎の安静位から安静空隙を経て咬頭嵌合位に至る過程に注目し、安静空隙は垂直的空隙であると同時に水平的空隙でもある、と述べている。