専門情報検索 お試し版

マニピュレーション

【読み】
まにぴゅれーしょん
【英語】
Manipulation
【辞典・辞典種類】
新編咬合学事典
【詳細】
授動術のひとつ。顎関節が復位不能円板転位(いわゆるクローズドロック)の状態にある場合に行なう。とくに急性の復位不能円板偏位では、理学療法剤と、場合によっては局所麻酔剤の注入の後に下顎のマニピュレーションを行なうことにより効果的に復位させることが可能とされる。
マニピュレーションによって解剖学的には完全な円板の復位を生じはしないが円板の可動性は増加することが関節造影による研究の結果で明らかとなっている。マニピュレーションによる開口量の増加のあとに、円板の位置関係を維持するためにはオクルーザル・アプライアンス療法、リラキゼイション療法、そして運動療法などが必要となる。
顎関節内障の概念の提唱者Fararrにより考案されたFararr法は、復位不能円板転位の症例に対し、術者が徒手的に行なう可動化療法のひとつで、親指を下顎臼歯咬合面上に位置させ下顎骨をしっかりと把持し、非患側は下顎窩内にしっかりと位置づけ、患側を前下内方に向けてはずみをつけながら誘導力を加える。
これに対し、皆木の方法(Minagi 1989)によるマニピュレーションは、患者自力による反対側への側方運動を最大限まで行なわせ、ついで境界側方運動路に沿って開口させる。この方法は患者が家庭においても行なうことができること、顎関節周囲組織の損傷の危険性が少ないこと、患者の苦痛が少ないこと、成功率に遜色のないことなど利点が多いので患者に対し最初に試みる方法である。
パンピングpumpingは顎関節腔内に液体を加圧注入することにより、関節の可動性の増大を図るとともに治癒の機転を期待するものである。パンピング・マニピュレーションpumping manipulationはパンピングを行なったうえでマニピュレーションを行なうことにより両者の効果を得ようとするものである。
→可動化療法