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EOA

【読み】
いーおーえー
【英語】
elastic open activator
【辞典・辞典種類】
歯科矯正学事典
【詳細】
(同)エラスティックオープンアクチベーター
 東ドイツのクラムット(Klammt, G.)によって,1966年にアクチバトールの改良型として考案された装置でありEOAともよばれている.本装置はアクチバトールの前方部分のレジン床を取り除き,いくつかの補助装置を組入れた構造をしており,装置の小型化による長時間の装着を可能とした.EOAはアクチバトールの中で最も可動性を有する構造をもち,短期間のうちに舌と連動して会話もさしつかえなくなり,また可動性を有する装置を介して刺激が何度も歯に伝えられ,その刺激による形態変化を期待している.
1)基本的構造:EOAは基本的に2つのタイプに分類することができる.つまり,歯列の舌側鼓形空隙に入り込むレジン床の突出部分がなくレジン床が側方歯の舌面に平坦な面で接触するタイプ(誘導面平坦タイプ)と,レジン床が側方歯の舌面全体に接し鼓形空隙に入り込むタイプ(誘導面突出タイプ)であり,前者のほうが前後的な可動性に富む.標準型EOAの基本的構造は次のようなものである.
(1)両側レジン床:犬歯から後方へ最後方臼歯の遠心部にまで延長し上下顎犬歯舌面での接触で床の安定をはかる.
(2)上下顎唇側線:前歯部より後方へ第二小臼歯の遠心部で丸く屈曲し,前歯部に戻り切歯部で接触し反対側に向かい同様な屈曲を受ける.
(3)パラタルアーチ:床部の第一小臼歯部より立ち上がり遠心方向に向かい,最後方臼歯の遠心で卵円形に屈曲され反対側へ至る.
(4)上下顎切歯誘導線:上下顎に犬歯部舌側より前歯部の舌側に沿うように屈曲される.上下顎切歯の舌面にできるだけ近づけるようにする.
2)構成咬合:症例により異なるが,基本的には切端咬合位をとる.
3)適応症:(1)アングルI級(叢生),(2)アングルII級1類,(3)アングルII級2類,(4)片側交叉咬合,(5)歯槽性開咬,(6)抜歯症例の治療
→機能的顎矯正法(機能的矯正法)