開咬の治療
- 【読み】
- かいこうのちりょう
- 【英語】
- treatment of open bite
- 【辞典・辞典種類】
- 歯科矯正学事典
- 【詳細】
- 1)乳歯咬合期における治療:拇指吸引癖,弄舌癖,異常嚥下癖などの不良習癖が原因で,将来骨格性開咬に移行する危険性のある場合は,その習癖の除去を行う.
2)混合歯咬合期における治療:不良習癖が原因のものは,乳歯咬合期に引き続き習癖の除去を行う.指しゃぶりや咬爪癖などには指サック,咬舌癖にはタングガードやタングクリブなどを使用し,積極的に舌および口腔周囲筋のトレーニングも行う.骨格性の開咬では,ハイプルチンキャップを用いて下顎を上方へ牽引する場合もある.また,早期に不正の芽をつむという考え方からマルチブラケット装置を上下顎前歯部と大臼歯部に適用し,overbiteの改善をはかることも大切である.その場合に良く用いられるのが,それ自体でoverbiteを深く出来る性質があるNi-Ti wire(.016"×.016"角,.018"×.018"角)である.
3)永久歯咬合期:一般的に非抜歯または小臼歯または大臼歯の必要抜歯を行い,Ni-Ti Wireの使用を主としたマルチブラケット装置によりバーティカルディメンジョンの改善をはかり,付加的にオトガイ帽装置が併用される.また機能的原因によるものは,舌および口唇のトレーニングや舌癖防止装置を使用して不良習癖の除去を行う.さらに骨格性の不正が大きい場合には,外科的矯正治療が行われる場合もある.
→不正咬合の治療