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下顎下縁平面傾斜角(フランクフルト平面に対する)

【読み】
かがくかえんへいめんけいしゃかく(ふらんくふるとへいめんにたいする)
【英語】
Frankfort mandibular plane angle
【辞典・辞典種類】
歯科矯正学事典
【詳細】
 頭部X線規格側貌写真の分析法であるダウンズ法,ツイード法およびリケッツ法の分析項目の1つである.下顎下縁平面とフランクフルト平面のなす角度であり,ツイードの三角におけるFMAと同一である.顔面角と相関関係があり,この角度が大きい場合,一般的に矯正治療の予後は不良であるといわれている.顔面角が減少すると下顎下縁平面角は増加する傾向がある.FMAの大きさは治療後の予後に影響する.一般的にFMAが平均値±2/3S.D.の範囲内に入っていれば下顎は標準的な付着のしかたをしているといえ,-2/3S.D.を下回っていればロウアングルケースであり,+2/3S.D.以上であればハイアングルケースであるとされる.上顎前突でハイアングルケースの場合には,比較的オトガイ部が後退している側貌の良くない場合が多い.また,下顎前突でハイアングルケースのものは顔の幅径に比較して高さ(長さ)が長く,かつ顔面の非対称が著明であり,とくに下顔面(鼻から下)が長いものに多い.また,上顎前突でロウアングルケースのものはいわゆるアゴありタイプの上顎前突が多いとされる.ハイアングルケースでは咬合挙上が比較的容易に起こりやすい.したがって,下顎前突では治療中にオーバーバイトが小さくなりやすく,治療が困難な症例であるといえる.また,上顎前突,下顎前突ともに側貌が不良で,予後が悪くなりやすい.下顎下縁平面角の平均値は白人で21.9°±3.24°(Downs),24.57°(Tweed),26.00±4.5(Ricketts),日本人では30.23°±5.51°であり日本は白人と比較して大きい縁向をもつ.