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顎顔面奇形

【読み】
がくがんめんきけい
【英語】
maxillofacial deformity
【辞典・辞典種類】
歯科矯正学事典
【詳細】
 顎顔面領域の奇形の多くは裂奇形である.胎生期に内側鼻突起,外側鼻突起,下顎突起,口蓋突起,それぞれの癒合によって顔面,鼻,口腔が形成され,癒合過程において何らかの原因が加わり,癒合不全が生じ顎顔面の裂奇形が発生する.それぞれの癒合不全の部位によって口唇裂,口蓋裂,唇顎口蓋裂が生じ,さらに顔裂(斜顔裂,横顔裂)に及ぶこともあり,しばしば耳介,眼,下顎骨などの奇形を合併する.
【原因】遺伝要因が主因をなすもの(約10%),染色体異常が主因をなすもの(約20%),環境異常が主因をなすもの(約10%)が考えられているが,残りの症例(約60%)では遺伝・環境両要因が複雑にかかっており,その機構を明瞭にすることはほとんど不可能である.
【治療】形態的改善とともに口腔の諸機能をも十分に改善しうるような形成外科的な手術が必要である.口唇形成は生後3~4ヵ月,口蓋形成は音声言語の発達以前,すなわち1~2歳までに行うのがよいとされている.
→顔面破裂