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カルシトニン

【読み】
かるしとにん
【英語】
calcitonin
【辞典・辞典種類】
歯科矯正学事典
【詳細】
 32個のアミノ酸よりなるポリペプチドホルモンで甲状腺のC細胞から分泌される.分泌調節としては,血清カルシウムイオン濃度の上昇により分泌が促進される.このほか,ガストリン,GIPなどの消化管ホルモンによっても分泌が促進される. 骨において,カルシトニンは受容体を介して破骨細胞に作用することにより骨吸収を抑制する.この受容体は破骨細胞にしか存在しないが,骨吸収の抑制により二次的に骨芽細胞による骨形成も抑制される.カルシトニンの骨吸収抑制作用は長期投与により減弱する(エスケープ現象). カルシトニンは腎でのカルシウム,リンの再吸収にも影響を及ぼすが,この作用には種差が大きく,ヒトでの作用は必ずしも明確ではない.カルシトニンはまた,尿細管の1@水酸化酵素活性を促進することにより1,25(OH)2Dの産生を高める.この作用はPTHと異なる部位で(近位直尿細管),異なる作用機序により発現する考えられている.