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金属アレルギー

【読み】
きんぞくあれるぎー
【英語】
metal allergy
【辞典・辞典種類】
歯科矯正学事典
【詳細】
 金属が感作原となって現れるアレルギーをいう.金属アレルギーの典型はIV型(遅延性)の範疇に入る接触アレルギーで,接触(性)皮膚炎が好例である.感作金属として,Ni,Cr,Co,Au,Ag,Cu,Hg,Pt,Fe,Be,半金属のAsが知られている.これらの金属の感作能は化学形態によって異なり,一般に,不溶性のメタル形では感作原となりにくい.口腔内で問題となるのが金属イオンでイオン化しうる形の金属化合物,合金は感作原となる.また,重金属ハロゲン化物やヒ素化合物では即時型のアレルギー性炎症を引き起こすことがある.矯正金属材料としてはステンレススチール材料からなるアーチワイヤー,ブラケットなどに含まれるニッケルNi,コバルトCo,クロムCrが感作原となって接触性皮膚炎を例とするアレルギー性炎症を呈し,装置装着に伴い皮膚の掻痒感が生じ,その撤去により改善した例が報告されている.また体質改善により治癒した例もある.最近は,生体親和性の高いチタン製ワイヤーやセラミックス,チタン材料からなるブラケットが使用されている.