口蓋突起
- 【読み】
- こうがいとっき
- 【英語】
- palatine process
- 【辞典・辞典種類】
- 歯科矯正学事典
- 【詳細】
- 口蓋に向かって出す上顎骨の突起である.上顎骨は複雑な形態をなし上顎骨体を中央に上に前頭突起,横に頬骨突起,下に歯槽突起を出し,また口蓋に向かって口蓋突起を出す.口蓋突起の下面は口腔の上壁であり,口蓋粘膜が付着するためにざらざらした粗面をなし後外側の歯槽突起に近いところでは大口蓋神経,大口蓋動・静脈が走る口蓋溝という溝がある.口腔の形成は初め一次口蓋が作られ,その後顔面突起の1つである上顎突起の内側縁にヒダが発生する.これを側方口蓋突起とよぶ.左右の口蓋突起および一次口蓋が癒合して,二次口蓋を形成し鼻腔と口腔を隔てることになる.口蓋突起の癒合不全により,二次口蓋に破裂をきたす先天性奇形が口蓋裂であり,一次口蓋の破裂である唇裂,唇顎裂などと合併したものが唇顎口蓋裂である.