咬合
- 【読み】
- こうごう
- 【英語】
- occlusion
- 【辞典・辞典種類】
- 歯科矯正学事典
- 【詳細】
- 咬合とは大きく分けると次の2つに分類される．1つは単に上下顎を閉じ合わせたときの歯の接触関係のみを重視した静的（形態的）咬合である．またもう1つは動的（機械的）な咬合とよばれるもので下顎運動により上下の歯が咬合嵌合するまでの生理的機序や生体的現象をすべて含めたもので，これは現在最も重要視されている概念である．また咬合は上下顎の歯の接触状態による分類，下顎の位置による分類（顎関節窩内での下顎頭や筋の生理的状態による分類，歯の接触状態による分類）とに分けられる．
1．下顎運動の最終的な閉合過程にみられる上下顎の歯の接触関係による咬合の分類
1）中心咬合（centric occlusion）
2）偏心咬合（eccentric occlusion）：(1)前方咬合（protruded occlusion），(2)側方咬合（lateral occlusion），(3)後方咬合（retruded occlusion）
2．下顎の位置による分類（とくに顎関節内での下顎頭や筋の生理的状態による分類）
1）習慣位（habitual position）
2）終末蝶番位（terminal hinge position）
3）下顎安静位（mandibular rest position）
4）中心位（centric occlusion）
5）後退位（retruded occlusion）
3．下顎の位置による分類（とくに歯の接触状態に応じてみられる下顎位）
1）最後退咬合位（most retruded occlusal posi¬tion）
2）習慣性咬合位（habitual occlusal position）
3）咬頭嵌合位（intercuspal position）
4）中心咬合位
習慣的開閉運動の終末位が中心咬合位と一致せず別の咬合位を示すような場合を二態咬合（dual bite）よんでいる．この二態咬合の有無は矯正治療においてとても重要になる．またポッセルト（Posselt）はこれらの咬合運動を下顎の切歯点を始点としてポッセルトフィギャー（またはスウェーデンバナナ）とよばれる図に示した．