咬合平面傾斜角(S‐N平面に対する)
- 【読み】
- こうごうへいめんけいしゃかく(えす ‐ えぬへいめんにたいする)
- 【英語】
- occlusal plane to S‐N
- 【辞典・辞典種類】
- 歯科矯正学事典
- 【詳細】
- 頭部X線規格側貌写真の分析法であるスタイナ一法の分析項目の1つで,S‐N平面と咬合平面のなす角度である.臨床的に大きく変化させると後戻りの原因となるので,変化させないようにすることが重要である.マルチブラケット装置による上顎前突の治療の際に,強い顎間II級ゴムを使用すると上顎前歯が圧下されないまま内傾し,咬合平面が時計回りに回転(クロックワイズローテーション;clockwise rotation)し咬合平面傾斜角が大きくなりやすく,その結果としてガミーフェイス(gummy face)を作りやすい.一方,下顎前突の治療で顎間III級ゴムを多用すると下顎前歯が挺出し,咬合平面が反時計回りに回転(カウンタークロックワイズローテーション;counter clockwise rotation)しやすい.これらの副作用を解消するためにII級症例にはきわめて弱い顎間II級ゴムを使用し,メインアーチワイヤーにバイトオープニングベンドを屈曲することで咬合平面が時計回りに回転することを防止している.また,III級症例では下顎水平ゴムを使用して下顎前歯の挺出と上顎大臼歯の挺出を防止している.S‐N平面に対する咬合平面傾斜角の平均値は白人で14.00°であり(Steiner),日本人では17.29°±3.37°である.
→咬合平面傾斜角(フランクフルト平面に対する)