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骨化

【読み】
こつか
【英語】
ossification
【辞典・辞典種類】
歯科矯正学事典
【詳細】
 成長発育に伴って行われる骨組織の形成のことで,結合組織を原基とした骨芽細胞の出現に始まり,これが骨細胞に至る変化の過程をいう.骨化は軟骨基質の介在の有無により結合組織性骨化と軟骨性骨化に分けられる.
1)結合組織性骨化:軟骨を経ず,はじめから骨芽細胞により骨形成が行われる様式である.新生された骨芽細胞は好塩基性で核は偏心性を示す.不規則な配列より規則性をもった配列へと変化した骨芽細胞は類骨を分泌し,さながら膜性の観を呈する.この骨化様式が膜性あるいは膜内骨化などともいわれるゆえんである.類骨は骨基質となり石灰化される.したがって骨芽細胞,類骨,新生骨という構造をなすが,骨名細胞の一部は骨基質に埋没し骨細胞となる.骨化の進行に伴って原基全体が間葉によって取り囲まれ(将来骨膜となる部分である),内面において間葉細胞は骨芽細胞に分化して一次骨化点表面に平行な骨板を形成していく.これを骨膜骨,緻密骨などという.本様式による骨形成は,頭蓋におけるごとく外側での骨新生に応じて内部に吸収機転を生じてその大きさを増大させていく.
2)軟骨性骨化:硝子様軟骨の形成に始まる骨化の様式をいい,よく知られているものとしては四肢などの長幹骨の骨端軟骨や頭蓋底部の軟骨結合における骨化がある.軟骨細胞は分裂し肥大細胞を経て退化を示すが,これに伴い軟骨骨幹中心部への血管の侵入,原始骨髄腔の形成が行われ,ここから生じる骨芽細胞により軟骨基質は骨基質,骨梁へと置換され海綿骨となる.海綿骨は改造を経て緻密骨へと変化されていく.
→軟骨外骨化