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コルチコトミー

【読み】
こるちことみー
【英語】
corticotomy
【辞典・辞典種類】
歯科矯正学事典
【詳細】
 コルチコトミーとは外科的に皮質骨を除去あるいは切離することによって,歯および歯槽骨を可動性にして,その後矯正装置を用いて不正の改善および良好な咬合の獲得をはかる治療法である.この方法を併用すると,歯と周囲の歯槽骨が1つのセグメントとなって移動しうるので,短期間で長距離の移動が可能である.歯や歯周組織の傷害が比較的少ない,移動後の結果が安定しており後戻りが少ない,歯体移動が期待できるなどの利点があり,成人の患者,外科的矯正治療における術後矯正治療,唇顎口蓋裂で上顎側方および前方拡大を必要とする患者などに有効である.単独歯の移動では歯間歯槽骨の骨皮質のみを切削し(歯間コルチコトミー),数歯の移動ではさらに根尖より離れた位置で水平に線状切削する(水平コルチコトミー).また海綿骨をも唇舌的に完全に貫通した骨切離を追加し,ブロックごとの移動をはかる場合もある.矯正力としては比較的強い力が適用され,マルチブラケット装置,エクスパンションスクリューなどが有効である.