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歯槽基底弓の分析(計測)

【読み】
しそうきていきゅうのぶんせき(けいそく)
【英語】
measurement of basal arch
【辞典・辞典種類】
歯科矯正学事典
【詳細】
 歯槽基底弓の分析(計測)は模型計測法の1つである.歯槽基底弓(ベーサルアーチ,basal arch)は,矯正学の術語としては比較的新しいものである.その概念は,1923年のルンドストローム(Lundstoィrm)の歯槽基底論(アピカルベースセオリー,apical base theory)に端を発しており,のちにツイード(Tweed)が抜歯論を説くにあったてベイサルボーン(basal bone)に代わるものとして用いた.さらにザルツマン(Salzmann)はブルントスキ(Bluntschli)が用いたべーサルアーチ(basal arch)という言葉が,これらの概念を現すにふさわしいとして用い,多くの賛同者を得て今日使用されているものである.歯槽基底弓の分析(計測)には,以下の2項目がある.
1)歯槽基底弓長径(ベーサルアーチレングス;basal arch length,BAL):歯槽基底弓長径は中切歯部の唇側歯肉の最深点から咬合平面に平行に第一大臼歯遠心面までの距離を顎態模型計測器を用いて,計測器の中央につけられた指針を中切歯根尖部に合わせて行う.その平均値は上顎が32.70±1.91mmで,下顎が31.48±1.83mmである.
2)歯槽基底弓幅径(べ-サルアーチウィドス;basal arch width,BAW):歯槽基底弓幅径は頬側歯肉上で両側第一小臼歯歯根尖部にあたる部分の直線距離をいう.計測はキャリパスで行う.その平均値は上顎が49.36±3.12mmで,下顎が41.91±2.15mmである.