歯体移動
- 【読み】
- したいいどう
- 【英語】
- bodily movement
- 【辞典・辞典種類】
- 歯科矯正学事典
- 【詳細】
- 歯体移動は移動方向の歯根の全面に圧迫帯が生じ,反対側は逆に牽引帯の生じることで,歯軸を傾斜させることなく歯を平行移動させる様式をいう.厳密的には歯体移動を起こさせるような矯正力を加えても,部分的に圧迫,牽引を起こしている組織学的所見が認められることから,完全な歯体移動は存在しないという考え方が一般的である.しいていえば,ジグリングの連続によって成立するとみるのに妥当性がある.臨床的には歯体移動はエッジワイズ法の基本的な歯牙移動形式である.すなわち,横長のブラケットとエッジワイズワイヤーを使用するため傾斜せずに歯体移動が行われ,傾斜移動よりも強い力が必要になり,力が過度であれば歯根吸収を起こす恐れがある.歯体移動が行われる場合,強い力に対する強固な固定(ヘッドギアなど)が必要になるのが一般的である.
→力の分布