専門情報検索 お試し版

上顎拡大装置

【読み】
じょうがくかくだいそうち
【英語】
maxillary expansion appliance
【辞典・辞典種類】
歯科矯正学事典
【詳細】
(同)拡大装置
 顎または歯列弓の狭窄の拡大を目的に使用される装置で,装着方法により可撤式と固定式に,また作用機序により緩徐拡大法と急速拡大法とに分類される.
・可撤式拡大装置:一般に緩徐拡大法として,歯列弓の側方および前方拡大に用いられる.拡大ネジやスプリングを床矯正装置に組み込んで使用し,クラスプにより維持される.口腔清掃が行いやすく,齲蝕の発生をかなり防止できる利点があるが,安定性に欠けるため矯正力には限界があり,後戻りが多く長期間の保定が必要である.また可撤式のため患者や保護者の十分な理解と協力が必要である.
・固定式拡大装置:緩徐拡大法と急速拡大法のどちらにも使用される.スプリングを用いるものは第一大臼歯のバンドにより維持され,拡大ネジを用いる装置は,第一小臼歯および第一大臼歯のバンドにより維持される.固定式のため口腔清掃を行いにくいが,適確な量の拡大が可能であり,拡大後はそのまま保定装置として用いることができる.
・緩徐拡大法:長期間にわたって比較的小さな量の拡大を行う方法で,歯の頬舌的な傾斜移動が主体となる.スプリングを用いるものにはコフィンの拡大床,クワードヘリックス拡大装置,クローザットの装置などがある.また,拡大ネジを用いる場合は,第1週,第2週に1/4回転(0.4mm),次いで患者が慣れてから3日おきに1/4回転させる程度で行う.
・急速拡大法:短期間にかなり大きい量の拡大を行う方法で,上顎骨の側方拡大を目的とする.正中口蓋縫合の開大とこの部分への化骨を主体とする上顎骨自体の拡大を期待する方法で,主に拡大ネジが使用される.拡大ネジは1日2回,朝と夕方に1/4回転し,14日で拡大が終了する(14日間で拡大距離は5.6mm).
【拡大装置の一般的な適応症】種々な形態のスプリングやネジを利用することにより,多くの症例に用いられる.(1)顎または歯列弓の狭窄,(2)兎唇口蓋裂,(3)鼻腔狭窄で鼻呼吸困難なもの,(4)個々の歯の移動,(5)空隙歯列弓