上下顎前突の治療
- 【読み】
- じょうかがくぜんとつのちりょう
- 【英語】
- treatment of bimaxillary protrusion
- 【辞典・辞典種類】
- 歯科矯正学事典
- 【詳細】
- 上下顎前突は,その原因として遺伝的なものを除いて形態的なものと機能的なものとがある.形態的な原因としては上下顎がともに前方位をとる場合と,上下の歯冠幅径が大きく前歯が前傾して排列されているものがある.機能的な原因としては舌と口唇の機能的な均衡がくずれている場合,すなわち舌が大きいか,舌前突癖や異常嚥下癖などにより舌圧が大きい場合,あるいは口唇の機能圧が小さい場合がある.乳歯咬合期および混合歯咬合期における治療は,積極的な矯正治療は行わず経過観察を行う場合が多いが,機能的な原因によるものは舌や口唇のトレーニングを行い,または習癖防止装置を用いて不良習癖の除去を行う.永久歯咬合期においては,一般的に小臼歯の必要抜歯を行い,マルチブラケット装置を用いて治療目標に合わせて上下顎前歯の舌側傾斜をはかるが,不良習癖などの機能的原因が残存している場合は,混合歯咬合期に引き続き不良習癖の除去を行い,舌が大きい場合には舌縮小術を行う場合もある.
→不正咬合の治療