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シンフィージス

【読み】
しんふぃーじす
【英語】
symphysis
【辞典・辞典種類】
歯科矯正学事典
【詳細】
(同)下顎結合部
 左右にわかれて生じた下顎骨の正中部における結合部をいう.胎生期には下顎骨正中部は線維性軟骨によって結ばれている.この線維性軟骨は生後1年で化骨し,下顎骨正中部が結合する.矯正の分野において,一般に下顎結合(symphysis)とは“下顎結合部の正中断面像それ自体”を指して用いられる.下顎前突者においてシンフィージスの歯槽部前後径の小さな症例は矯正治療に制約を与える症例であると指摘されている.したがって下顎前突者の矯正治療はいかにシンフィージスの厚さを薄くせずに行うかが鍵となる.従来下顎前突者の矯正治療は多くの場合,III級ゴムの副作用として下顎前歯の内傾とともに下顎のシンフィージス,ことにB点付近が薄く細長く伸び,下顎切歯の舌側へのトルクも十分に行えず治療後の咬合を不安定にするといわれている(亀田ら1982~1985).その結果,現在では顎間III級ゴムに代わり,下顎顎内水平ゴムを使用する治療法が考案され,広く用いられている.
→エフェクティブシンフィージス,アクチュアルシンフィージス