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舌縮小術

【読み】
ぜつしゅくしょうじゅつ
【英語】
tongue reduction
【辞典・辞典種類】
歯科矯正学事典
【詳細】
 舌の大きさ,および機能が歯の位置異常や顎の発育異常の発生に関連することが古くから認められている.また下顎前突症や開咬症の手術後における後戻りの原因の1つに舌圧があげられ,外科的矯正治療に関連して舌縮小術が行われている.しかし,舌の大きさを客観的に測定する方法が確立されておらず,しかも舌は適応性の高い組織であることから必ずしも舌縮小術を行う必要はないと主張するものも多く,その適応については一定の見解は得られていない.
【適応症】舌の大きさは主観的に判断せざるをえないが,外科的矯正治療により口腔容積が減少するような場合,舌が明らかに大きいと思われる症例では術後の後戻りを予防する目的で舌縮小術を行うべきであろう.
一般的に次のような場合には巨舌を考慮すべきであるといわれている.
1)舌を前方に突出させたとき舌尖がオトガイ部まで到達し,しかも舌側縁が両側口角に接する.
2)舌側縁に歯の圧痕がみられる.
3)安静時において舌尖および舌側縁が下顎歯列上に存在する.
4)発声または嚥下時に舌が歯列から突出する.
5)下顎前歯部歯槽突起に唇側傾斜が強く,しかも歯間空隙が存在する.
【術式】舌の後方部において舌幅径の1/3の幅でオトガイ舌筋または下縦舌筋まで円形切除し,前方部では舌下面まで全層切離を行う方法と,舌背中央部に尖頭を向けたクサビ状切除を行う方法がある.舌組織切除後には結紮法および電気凝固法によって創面の止血をはかり,筋層縫合を施してから舌上下面の粘膜縫合を緊密に行う.
【術後の処置と経過】舌縮小術後の継発症である手術部の血腫形成や浮腫を予防するために,舌の安静をはかることが必要で,数日間経鼻栄養を行う.創治癒後には舌の形態異常や瘢痕形成,また舌の運動性,感覚,味覚,発音などの機能障害などはきわめて軽度であるといわれている.なお,外科的矯正治療と同時に舌の縮小術を行うと,顎間固定などが原因となって呼吸障害がみられることがあるので注意が必要である.
→大舌症