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全身的原因

【読み】
ぜんしんてきげんいん
【英語】
general causes
【辞典・辞典種類】
歯科矯正学事典
【詳細】
(同)一般的原因
 全身的原因とは,全身として内分泌などの諸機能を含むすべての機能,総合的な咀嚼器官を含む諸組織の発育,栄養などの障害による種々の機能障害,疾病などによるものである.全身性の何らかの疾患あるいは異常に随伴して,部分症状として顎性,歯槽性の不正咬合が発現する.全身的原因は,個体の成長発育を考慮すると,若年におけるものほど不正咬合の成立には大きな影響を与えるものと考えられ,代表的なものに次のようなものがある.
1)発疹性疾患:幼,少年期に麻疹,水痘,猩紅熱などに罹患すると,歯の形成障害による催奇性の誘因になるといわれている.またこのような現象は胎児期に母体が罹患した場合にも起こり得るとされている.
2)内分泌障害:脳下垂体や甲状腺の機能異常は不正咬合の誘因となる.末端肥大症,クレチン病などはその典型的なものである.またそのほか,副腎,胸腺,生殖腺などの異常と不正咬合との関連が考えられる.
3)栄養障害:くる病はその典型的なものでアデノイドとの関係,顎骨の成長発育への影響などがいわれている.またくる病に限らず何らかの栄養障害があれば,全身の発育障害の一部分症としての顎骨の発育不良による不正咬合を招く可能性がある.