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頭蓋底

【読み】
とうがいてい
【英語】
cranial base
【辞典・辞典種類】
歯科矯正学事典
【詳細】
 脳頭蓋の底部を構成し頭蓋腔へ出入りする脈管と神経を通じる部分である.内面を内頭蓋底,外面を外頭蓋底という.頭蓋底を構成する骨は軟骨内骨化により形成され,骨質は主として海綿質でできている.矯正学では頭蓋底を頭部X線規格側貌写真上で図形的に把えることとしている.すなわち,頭部X線規格側貌写真上での頭蓋底は,セラ(S),ナジオン(N)およびバジオン(Ba)を用いるのが通法で,このうちセラ-ナジオン(S-N)を前頭蓋底,セラ-バジオン(S-Ba)を後頭蓋底と考えている.しかし,バジオン(Ba)を設定できない場合は,アーティキュラーレ(Ar)を代用したり,ボルトンポイント(Bo)を使用する.また,S-Nは純粋に前頭蓋底の成長だけでなく前頭骨の成長も加わっている.以上の頭蓋底の軟骨結合の成長が抑制されると,早期に灰化による結合の完成あるいは発育がおくれる結果として頭蓋底は矢状方向に短くなる.ひいては中顔面,上顎の成長不良となり臨床的には上顎の後退となって現れる.
→頭部の成長発育