乳臼歯の早期脱落
- 【読み】
- にゅうきゅうしのそうきだつらく
- 【英語】
- early loss of primary molar
- 【辞典・辞典種類】
- 歯科矯正学事典
- 【詳細】
- 乳臼歯が永久歯との交換期前に,何らかの原因によって脱落あるいは喪失することをいう.乳臼歯の早期脱落でとくに重要視されるのは第二乳臼歯である.この喪失によって第一大臼歯が近心へ萌出したり,近心傾斜や転位したりしてアベイラブルスペースが減少し,その結果第一大臼歯より前方歯であって最も萌出順序の遅い歯すなわち上顎では犬歯,下顎では第二小臼歯の転位が高頻度に発生する.また第一大臼歯が高度に近心転位すると,咬合高径が減少し,過蓋咬合を発生しやすくする.処置には各種保隙装置が用いられ,第一大臼歯の未萌出の症例では一般的にディスタルシューの適用がされ,萌出後の症例ではクラウンループ,バンドループ,リンガルアーチなどが用いられ,対合歯の挺出の防止を合わせて行う場合には乳歯義歯の装置が適当である.