ハーラー症候群
- 【読み】
- はーらーしょうこうぐん
- 【英語】
- Hurler’s syndrome
- 【辞典・辞典種類】
- 歯科矯正学事典
- 【詳細】
- 1919年,ハーラーが最初に報告した酸性ムコ多糖類の代謝異常により中胚葉組織,中枢神経系に異常を生じる常染色体性劣性遺伝性疾患である.Mucopolysaccharidosis I(MPS I)と略称され,また,ガルゴイリズム(gargoylism)ともよばれている.一般に生後1年以内に発症し,10歳くらいまでに死亡する例が多い.
【症状】生下時に大頭症,陥没した鼻根,身長は低く,骨格の多発性異骨症,脊椎後彎があり,頸は短く,頭蓋の形が異常で大きい.顔面口腔所見では前頭部突出や臓器間離開症を伴う特異なガルゴイリズム様顔貌,短頸,鞍鼻,口唇肥厚,開口,舌の突出,歯肉肥厚,歯の形成・萌出の遅延,形態異常,小顎,下顎頭,切痕の変形をみる.
【治療】対症療法を主体とし,咬合障害がある場合に矯正治療が必要である.