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発音

【読み】
はつおん
【英語】
pronounciation
【辞典・辞典種類】
歯科矯正学事典
【詳細】
 発音とは言語の音声を発することで,次の5段階に分けられる.
1)呼吸:呼吸による気流が発音のエネルギーとなる.
2)発声:呼気が声帯を振動させて喉頭音をつくる(有声音).
3)共鳴:喉頭音が,咽頭腔,口腔,鼻腔に共鳴して聞こえる音になる.
4)調音:可動的器官(舌,口唇,軟口蓋など)と不動的器官(歯,口蓋など)によりさまざまな音が調整される.
5)制御・統合:声帯筋などの発声に関与する各筋の機能は,神経系統によって,中枢性にまたは末梢性に微妙に調整される.
乳児の言語はいわゆる喃語であるが,乳歯が萌出し始める頃にはカタ言発音を始め,周囲の会話を模倣するようになる.やがて会話の内容を理解し,自ら話せるようになり,会話は1語文から多語文へ発達する.4歳頃には語順にも留意してよくしゃべるようになり,混合歯列期にほぼ発音が完成される.不正咬合のため適切な舌腔が得られないような場合には,発音障害が起きる恐れがある.前述のように言語が比較的早くから形成されることから,ある種の不正咬合は早期に治療(外科的治療,矯正治療,言語治療)を行う必要がある.上顎前突症例では上下口唇を接して発音させる二唇音[p,m,b]が上顎前歯と下口唇との間によって生ずる唇歯音となる.開咬症例では舌尖の前方位による歯擦音[s,z]が影響を受け,sがθ,zがδとなるリスピング(lisping)がみられる.また下顎前突症例では下唇と上顎前歯の接触による唇歯音[f,v]が影響を受ける.さらに口蓋裂症例などでは,発声時呼吸が裂を通じて鼻腔へ漏出することによりいわゆる開鼻声を生じ,破裂音[t,d,k,gなど]の発声が不明瞭となる.
→口腔機能の発育