専門情報検索 お試し版

ピエール・ロバン症候群

【読み】
ぴえーる・ろばんしょうこうぐん
【英語】
Pierre Robin syndrome
【辞典・辞典種類】
歯科矯正学事典
【詳細】
 先天的小下顎症,舌後退(舌根沈下),気道狭窄による呼吸障害を示す症候群で,口蓋裂を合併することが多い.原因は不明であるが,先天的遺伝性下顎減形成であると考えられている.出生時よりオトガイの後退感が著明で鳥貌を呈する.口腔内は舌や口底軟組織によって占められている.また,高口蓋あるいは口蓋裂を伴う場合多くみられ,下顎前歯は著しく前傾している.全身症状として重症の呼吸障害がある場合は,チアノーゼや心窩部の陥凹が認められる.このほか,第一鰓弓症候群として眼奇形(先天性緑内障,白内障,網膜炅離,内斜視,小眼球など),多指症,指趾癒合,脊柱奇形,消化管奇形,知能障害などを合併することもある.軽症例では腹臥位や側臥位にすると気道が確保されるが重症例では舌の前方牽引を行い,呼吸障害の改善を行う.下顎の後退は乳幼児期から矯正治療を行うことにより著しく改善される.この症候群による咬合異常は健康保険適用で矯正治療を行うことができる(2002年4月1日以降).