不正咬合の治療
- 【読み】
- ふせいこうごうのちりょう
- 【英語】
- treatment of malocclusion
- 【辞典・辞典種類】
- 歯科矯正学事典
- 【詳細】
- 1)乳歯咬合期における治療:乳歯咬合期において矯正治療を行う目的は,顔面と歯列の正常な成長発育に対する障害を取り除き,正常な機能を回復させ,それを維持することにある.乳歯咬合期で注意すべき状態は以下のものである.(1)咬合の機能的障害,(2)乳歯の齲蝕,早期接触,(3)第二乳臼歯の対咬関係(ターミナルプレーン),(4)乳犬歯の対咬関係,(5)上下の顎関係の異常,(6)不良習癖.乳歯咬合期での治療には次のようなものがある.(1)下顎前突(反対咬合),(2)上顎前突,(3)過蓋咬合,(4)開咬,(5)交叉咬合,(6)不良習癖の除去
2)混合歯咬合期における治療:この時期は顎の成長発育が旺盛であり,永久歯の萌出に伴い種々の不正咬合が明らかになってくるため,矯正治療開始の頻度の高い時期である.顎関係に異常がなく歯列の治療のみでよい場合は,歯列と顎の発育を考慮した治療が必要となる.混合歯咬合期での治療には次のようなものがある.(1)正中離開,(2)上顎前突,(3)下顎前突,(4)叢生,(5)開咬,(6)過蓋咬合
3)永久歯咬合期における治療:永久歯咬合期では各症例ごとの主訴,診断,治療目標を適確に把握し,各種の装置を適正に使用して治療を行う.永久歯咬合期での治療には次のようなものがある.(1)個々の歯,または数歯にわたる位置不正,(2)習癖にかかわる不正咬合,(3)上顎前突,(4)下顎前突,(5)犬歯低位唇側転位,(6)上下顎前突,(7)過蓋咬合,(8)開咬,(9)交叉咬合
4)唇顎口蓋裂などに伴う咬合異常の治療:唇顎口蓋裂は,口唇,歯槽堤,口蓋などの口腔組織に破裂や欠損を有する先天異常であるため,顔貌は変形し,顎態や咬合の異常が著しい.その結果,咀嚼障害,言語障害,耳鼻咽喉科疾患あるいは心理的問題など,疾患の様相が多岐にわたるため総合診療体系が必要であり,矯正治療領域は重要な分野を占める.
5)他科との協同による治療:歯科治療が個人の口腔を一単位として行われるように,矯正治療もすべてを単独で行うことはできない.矯正科と他科との協同治療は,当然保存科,補綴科,歯周科とも関連するが,口腔外科との外科的矯正治療は代表的なものである.
6)筋機能療法:口腔周囲筋,咀嚼筋の筋力強化に対しての訓練のみならず,嚥下機能も含めた舌の行動型と姿勢位の改善を目的に治療が行われる.