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補助弾線

【読み】
ほじょだんせん
【英語】
auxiliary spring
【辞典・辞典種類】
歯科矯正学事典
【詳細】
 主に舌側弧線装置や唇側弧線装置を構成する付加的な線で歯に持続的な矯正力を作用させるために用いられる.弾線は通常0.4~0.5mm線を用い主線に鑞着した後に屈曲調製する.屈曲する形態により単式弾線,複式弾線,指様弾線,連続弾線に分類される.
【分類】
1)単式弾線(simple spring):主に歯の唇側移動を目的に使用される.非常に単純な構造であるため,力を加える方向が限定されたり,力の強さの調整が難しいという欠点を有する.さらに,歯の移動量が大きいときには歯が主線を離れ,弾線の遊離端が歯頸部に接触せず,舌面傾斜に沿って歯冠の切端方向に移動してしまうことが多いので注意を要する.
2)複式弾線(double spring):弾線の遊離端がループ状に二重に屈曲されているもので,主に前歯部の唇側移動や小臼歯の頬側移動に用いられる.単式弾線と異なり弾線を長くすることで力のモーメントが長くなり長期間持続的な力を得ることが可能となる利点を有する.さらに,力の調整が容易に行うことができ,折り返した線の部分の歯頸部への適合度を調整することによって,ある程度の矯正力の方向をコントロールできる.
3)指様弾線(finger spring):弾線を主線に対して直角に鑞着し粘膜に沿い指のような形状を描きながら主線の下を通り,非移動歯の隣接面歯頸部に屈曲適合される.主に前歯,小臼歯の近遠心方向への移動を目的とするものである.
4)連続弾線(continuous spring,looped spring):弾線の両断端とも主線に鑞着される.主に小臼歯の頬側移動に用いられる.弾線の両端が主線に鑞着されるため,力のモーメントは小さくなり,逆に弾性が強くなる.そのため,通常0.4mmの矯正用線が用いられるが,矯正力が強く力の調整が難しい.かつて中切歯の対称捻転の矯正には,両側にループをつくって,モーメントを大きくし,弾線が歯に接触する側の反対側を結紮して用いられた.