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有効歯列弓長

【読み】
ゆうこうしれつきゅうちょう
【英語】
available arch length
【辞典・辞典種類】
歯科矯正学事典
【詳細】
(同)アベイラブルスペース
 アーチレングスディスクレパンシーを求めるために必要な1つの計測項目であり,一側の第一大臼歯の近心面から他側の第一大臼歯の近心面までの歯列弓上の利用できる長さをいう.従来,アベイラブルスペースは臨床経験に基づき模型上で計測されていたが,最近では亀田が推奨するように頭部X線規格側貌写真と口腔内模型とを連動させて行う計測法が確立されている.
【頭部X線規格側貌写真と口腔内模型を連動させたアベイラブルスペースの計測法】
1)頭部X線規格側貌写真透写図上で下顎切歯の治療目標(たとえば下顎切歯歯軸傾斜角L1 to Md;85°)である予測線を根尖を通るように描く.
2)次いで,下顎の咬合平面上で下顎切歯切縁から予測の切縁までの距離を計側する.これが下顎のセファログラムコレクションの値である.ただし,予測切縁が下顎切歯切縁より唇側であれば(+),舌側であれば(-)とする.
3)同様に上顎切歯の治療目標(たとえば上顎切歯歯軸傾斜角U1 to SN;97°)である予測線を描き,上顎のセファログラムコレクションの値を求める.
4)その後,セファログラムコレクションの値を0.9倍し,模型上での切歯の移動距離を求める.切歯の移動した位置と左右側第一大臼歯の近心隣接面の3点を通るアイデアルアーチの長さを計測し,アベイラブルスペースとする.
→リクワイアードスペース,抜歯基準(亀田の),抜歯基準(ツイードの)