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癒合歯

【読み】
ゆごうし
【英語】
fused teeth
【辞典・辞典種類】
歯科矯正学事典
【詳細】
(同)融合歯
 互いに近接した歯胚が,その発育の種々な段階において組織的に結合したり,1個の歯胚が不完全分裂したものをいう.癒合の程度によって完全型と不完全型に,部位によって歯冠型,全長型,歯根型に分けられ,完全型ないし全長型では,外見上は癒合部が明らかでなく,1個の大きな歯のようにみえることもある.組織学的には,癒合の程度により多少異なるが,それぞれの歯の象牙質とエナメル質あるいは象牙質とセメント質が移行しており,歯髄腔は歯冠部または歯根部で分離していることが多い.しかし象牙質間には癒合が認められ,この点で癒着歯とは異なっている.癒合歯は,乳歯,永久歯ともに前歯部に発生頻度が高い.これは歯胚の位置の密である部位に歯胚の合体が多いことによる.一般に乳歯が癒合した場合,その後続永久歯は欠如したり癒合したりすることが多く,癒合乳歯の近心側後続永久歯の欠如がみられることがある.