リバーストルキングオーギジリアリー
- 【読み】
- りばーすとるきんぐおーぎじりありー
- 【英語】
- reverse torquing auxiliary
- 【辞典・辞典種類】
- 歯科矯正学事典
- 【詳細】
- (同)ラビアルルートトルク
主としてベッグ法のステージIIIで使用される付加物である．歯根を舌側に移動するリンガルルートトルクに対して歯根を逆の方向，すなわち唇側に移動することをラビアルルートトルクという．通常のトルクと表現した場合の逆の方向に歯根を移動するので，リバーストルキングとも表現される．
上顎前突症例の矯正治療に際して，下顎前歯の過度の唇側傾斜に対して歯根を多少舌側移動させ，歯根尖を唇側に移動し下顎前歯歯軸傾斜角を減少させたいときや，顎間II級ゴムの強さを強くした場合の反作用として下顎前歯の唇側傾斜に対して固定の補強をするときに用いる．下顎前突症例の矯正治療に際して，上顎前歯の過度の唇側傾斜に対して歯冠を多少舌側移動させ，歯根尖を唇側に移動し上顎前歯歯軸傾斜角を減少させたいときや，顎間III級ゴムを用いて前歯関係，または犬歯関係を速やかに改善したいとき，しかもその際に上顎前歯をこれ以上前傾させたくないときなどに用いる．
KBテクニックでは，ステージIIから主線をリボンアーチとし，トルクの組み込まれたKBブラケットを使用することで，早期から歯根のレベリングおよびコントロールが成されるためにほとんど使用されることが少なくなった．屈曲手順は犬歯ブラケットのスロットの.014"ワイヤーを挿入し，バーティカルループを屈曲する．この場合バーティカルループの水平部は，ブラケットの上縁で切歯切端近くの唇面を押すように屈曲する．反対側側切歯まで同様にバーティカルループを屈曲し，側切歯遠心のバーティカルループは犬歯ブラケットスロットの高さで屈曲を終了する．この基本形をボールアンドソケットプライヤーで歯列弓に適合させるように調節する．次いで，リンガルルートトルキングオーギジリアリーとは逆にスパーを外側にしてアクチベー卜する．装置はリバーストルキングオーギジリアリーを先にブラケットスロットに挿入した後に主線を入れることによる．
またベッグ法より派生したべッティオット（the Begg-edgewise diagnosis totally individualized orthodontic technique）のトルキングオーギジリアリーがある．作用はベッグタイプと同じであるが，トルクの力の加減は水平部分をカンタリングプライヤーで曲げてその曲げ具合で調整する．つまり歯列弓から離れた彎曲にすると最大の力でトルクがかかり，歯列弓に沿った彎曲にすると最小の力となる．