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形状記憶効果

【読み】
けいじょうきおくこうか
【英語】
shape memory effect
【辞典・辞典種類】
歯科矯正学事典
【詳細】
 ニッケルチタン合金線の特異な性質である.一般にニッケルチタンとチタンが等原子比付近の合金では,加工法,熱処理などによりいろいろな性質を示すといわれている.同一金属でありながらマルテンサイト変態という温度の相違によって結晶構造が変化することにより物理的特性が変化する.このことはある温度帯をはさんで低温側のマルテンサイト相でやわらかく,たやすく永久変形を生じる金属が高温側の母相で固く永久変形しにくい性質となる.低温側において外力が加わるとマルテンサイト変態を生じて変形をまかない,これが加熱されるとマルテンサイト逆変態が生じ,母相に戻るが,母相はエネルギーが安定する規則格子である体心立方格子であり,これは外力が加わる前の形態に戻るということである.マルテンサイト変態と逆変態により,この形状記憶効果が起こるといわれている.
→ナイティノールワイヤー,超弾性型Ni-Ti wire