A-スプリント
- 【読み】
- えーすぷりんと
- 【英語】
- A-splint
- 【辞典・辞典種類】
- 歯周病学事典
- 【詳細】
- 【同】A‐固定
内式暫間固定法の一法で、固定する歯にスライスカットをしないで連続したMOD窩洞を形成し、その窩洞内にワイヤーを入れ、そのワイヤーを埋入するようにレジンを充填する方法である。
本来の目的は、暫間固定における目的と同様に、歯周支持組織を安静に保ち、それにより支持組織の喪失の防止をはかること、また矯正処置後の保定、食片圧入の防止、予後の判定などである。
本法は操作が容易であり、固定力も耐久力も比較的強く、審美性に優れ、患者に異和感を与えないなどといった利点があるが、歯質を削除しなければならないために歯髄損傷を招いたり、また二次齲蝕を引き起すこともある。そのため必ず経過観察を行って、予後の判定を行いすみやかに換えねばならない。
本法は前歯部、臼歯部いずれの部位にも用いられる。臼歯部においては、窩洞外形はII級ないしMODに似るが、隣接面では頬舌方向に拡大しないし、側室も形成しない。窩洞の深さは2mm前後とする。以前はアンダーカットを付与していたが、現在では接着性レジンの登場により必要としない。前歯部の場合には、口蓋側あるいは舌側基底結節と切端の中間に近遠心的に深さ1mm前後の連続窩洞を形成する。つぎに補強線としてワイヤー(前歯部ではφ0.2mm、臼歯部ではφ0.4~0.5mm)を二重ないし三重により合わせて、窩洞に試適する。その後窩洞にレジンを半分ほど填塞した後、先に試適したワイヤーを入れ、さらにレジンを充填する。この時レジンに空泡が入らないよう、また歯間空隙をレジンで満たさないよう注意する。充填後、咬合調整、研磨を行う。
また前歯部において、固定する歯のそれぞれの隣接面に、III級複雑窩洞を形成し、1本の補強線で隣接する2歯のみが固定されるような形態として、それを固定する歯群に適応させる方法もある。この方法は、歯質の削除量が少く操作が容易で、修理や延長が簡単にできるなどの利点がある。