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エナメル突起

【読み】
えなめるとっき
【英語】
enamel projection
【辞典・辞典種類】
歯周病学事典
【詳細】
多根歯においてエナメル質が歯根分岐部に向って突起状にのびたもので、その大きさは種々である。つぎのように分類される。
 I型はエナメル滴程度のもの。
 III型は歯根分岐部までエナメル突起が深くのびているもの。
 II型はこれらの中間型のもの。
歯根分岐部にエナメル突起が存在する歯に歯周疾患がみられることが多い。シャーピー線維は歯槽骨と歯根のセメント質と結合し、歯を固定している。したがってもし歯根の表面がエナメル質に覆われていると、シャーピー線維は歯と結合できずにこの部分では単に歯肉が歯根に付着しているだけであり、歯と歯周組織の関係は異常な状態になる。さらに歯肉は歯頸線に沿った形を取るからこの部分の形も異常となり、局所的な刺激をうけ歯周疾患にかかりやすくなる。Masters,D.R.とHoskins,S.W.は、歯根分岐部に歯周疾患がみられる90%の歯にエナメル突起が存在していたと報告している。