急性歯周膿瘍

【読み】: きゅうせいししゅうのうよう
【英語】: acute　periodontal　abscess
【辞典・辞典種類】: 歯周病学事典
【詳細】: 歯周膿瘍とは化膿性の炎症が歯周組織に波及し膿瘍を形成したものをいい、比較的再発傾向が強い。成因としては歯周ポケットからの化膿性炎症が周囲の結合組織に波及し形成されることが多く、不十分なスケーリング、ルートプレーニング、歯肉治療中における歯根側壁の穿孔などによっても起ることがある。なお糖尿病患者で歯周炎を有している場合には多発性膿瘍を形成する傾向が強い。症状としては、その当初は限局性の搏動性疼痛や打診痛、圧痛がみられ、1～2日から浮腫や充血を伴い半球状に隆起し、その表面は光沢性をおび柔らかで波動をふれ、圧迫による排膿のみられることが多い。治療法としては、まず切開、排膿、化学療法によって急性症状の緩解につとめるが、歯周膿瘍が骨破壊を起しやすく、しかも再発傾向が強いなどの特徴から、膿瘍形成と密接な関係にあるポケットを除去することが基本となる。