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クロールヘキシジン

【読み】
くろーるへきしじん
【英語】
chlorhexidine
【辞典・辞典種類】
歯周病学事典
【詳細】
【同】ヒビテン(R)
1954年イギリスで開発された殺菌消毒薬。一般的には水に溶けやすいジグルコン酸塩として使用する。殺菌力は強く、グラム陽性菌、陰性菌いずれにしても有効であるが、グラム陽性菌に対する効果が強力である。カンジダなどの真菌にも効果はあるが、結核菌にはあまり抗菌作用はなく、芽胞には無効である。市販されているものは、グルコン酸クロルヘキシジン液(20%)、消毒用クリーム、産科用クリーム(1%)等がある。pH 6前後で比較的安定であり、血液、組織液の共存下でも効力はほとんど減弱されず、殺菌作用は迅速で比較的持続性があり、浸透性にも優れる。毒性は低く、皮膚、粘膜への障害はほとんどないが、まれにアレルギー症状(発疹等)を呈することがある。手指、器具、手術部位の消毒、点耳用、眼洗浄、膀胱洗浄、口腔内の洗浄、消毒に用いられる。使用濃度は手指、器具の消毒に0.02%、創傷の感染予防に0.05%を、いずれも水溶液として用いる。また術前の皮膚消毒または器具の緊急消毒に70%アルコールにグルコン酸クロルヘキジンを0.5%添加して用いる。クロルヘキシジンには歯垢沈着抑制効果が認められることから、近年、化学的プラークコントロールに応用されている。2%の溶液の塗布、あるいは0.2%溶液による含嗽が有効であるといわれる。しかし、それによる充填物の変色や味覚異常の発生も報告されている。
1985年10月より含嗽その他口腔内粘膜への使用は禁忌となる。