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骨吸収

【読み】
こつきゅうしゅう
【英語】
resorption of bone、bone resorption
【辞典・辞典種類】
歯周病学事典
【詳細】
骨の吸収には、骨組織におけるリモデリング(再造形、再構築)のための生理的な現象と、炎症、腫瘍、代謝性疾患などの病的な現象とがある。病的な骨吸収は、生理的な骨組織のリモデリングにおける骨の吸収と形成のバランスの不調和を生じさせる種々の因子により、結果的に吸収の状態が生じたものである。リモデリングにおける骨の吸収は、破骨細胞によって行われる。歯周疾患における歯槽骨の吸収は、全身的な因子によるもの(生理的な因子によるものも含む)もあるが、おもに局所的因子によるものがほとんどである。歯周疾患、とくに歯周炎における歯槽骨の吸引は、ほとんどが炎症性因子と咬合による外傷性因子によって引き起される。炎症性因子は主として水平型の骨吸収を生じ、また外傷性因子は垂直型あるいは混合型(複合型)骨吸収を生じる。歯周炎における骨吸収を引き起す因子として、歯垢の細菌内毒素(エンドトキシン)、抗原抗体複合体および補体、破骨細胞刺激因子(OAF)、プロスタグランジン(PGs)、その他ヘパリンなどが考えられ、それらの因子により破骨細胞性の骨吸収が生じると考えられているが、詳しい機構についてはまだ不明である。骨吸収は、歯槽骨の吸収形態(水平型、垂直型、混合型)、吸収程度(1度、2度、3度、4度、あるいは歯根の長さに対する%)、骨縁下ポケットの骨壁数などによって分けられる。