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骨隆起

【読み】
こつりゅうき
【英語】
torus
【辞典・辞典種類】
歯周病学事典
【詳細】
骨表面の発育の緩慢な限局性の過剰発育であり、扁平、結節、瘤あるいは有柄の突起としてみられる。種々の大きさ、形態を示すが、硬口蓋正中部と下顎骨体の舌側に対称性に認められる。骨隆起は病理学的重要性はなく、良性骨増殖と考えられており、成因については遺伝、外傷、不正咬合、咬合圧などによる反応性の過形成などが考えられているが明確なものはない。会話をはじめとする口腔諸機能を障害したり、骨隆起を被覆している粘膜がしばしば外傷を受けたり、腫瘍形成を伴う場合や義歯製作上障害となる場合は外科的切除が必要である。
1)口蓋隆起palatal torus
口蓋正中部に生じ、新生児の5%、成人の20~25%に発生するが、女性の発生率は男性の2倍である。隆起部の形態によって、平坦、紡錘あるいは分葉型に分類される。一般的に骨隆起表面の粘膜は正常で、無痛性、骨様硬を示し、診断は容易である。
2)下顎隆起mandibular torus
下顎骨体犬歯から小臼歯部の舌側にもっとも多くみられ、成人の5~10%に発現し、男女差はないとされている。単独に存在することが多いが多発性、両側性に発生することもある。口蓋隆起と違い、X線フィルム上に不投影像としてみられる。