コラーゲン線維
- 【読み】
- こらーげんせんい
- 【英語】
- collagen fibers
- 【辞典・辞典種類】
- 歯周病学事典
- 【詳細】
- 【同】膠原線維、膠原線維束、コラーゲン線維束
コラーゲン線維の構成単位は、幅14A、長さ約3,000A、分子量約300,000のトロポコラーゲンtropocollagen分子である。3本のポリペプチド鎖(α鎖)がらせん状に配列した特異な形をしている。このトロポコラーゲン分子が長さの1/4ずつずれて並び重合して、さまざまな長さと太さをもつコラーゲン線維を形成する。その結果、640Aの周期性横紋構造が電子顕微鏡で観察され、これに一致してルテニウムレッド陽性所見がみられる。
骨のコラーゲンを構成するα鎖は、2本が同じもので〔α1(I)〕2α2であらわされる。軟骨のコラーゲンは3本とも同じで、骨とは構造の異るα鎖から成り、〔α1(II)〕3であらわされる。現在4種類の異ったものがあることがわかっている。
α鎖は分子量約100,000で、約1,000個のアミノ酸より成る。そのアミノ酸組成は、1/3がグリシン、2/9がプロリンとヒドロキシプロリンである。動物組織のなかでヒドロキシプロリンを含むのはエラスチンであるが割合は少い。ヒドロキシプロリンとヒドロキシリジンはコラーゲンタンパクに特有のもので、尿中へのヒドロキシプロリンの排泄量は骨吸収量に相関し、骨代謝のパラメータと考えられている。