暫間固定
- 【読み】
- ざんかんこてい
- 【英語】
- temporary splint
- 【辞典・辞典種類】
- 歯周病学事典
- 【詳細】
- 歯周疾患治療において、動揺歯をある一定期間固定して、歯周組織の安静と咬合の安定をはかることである。暫間固定の目的、術前処置、具備すべき条件などは、固定の一般的なそれに準ずる。
適応症としてはつぎのようなものがある。1)歯の動揺度が2度以上あって安定した咬合が得られない時、2)動揺のある歯に局所療法を行う時や、外科処置後に生ずる一時的な歯の動揺に対して、歯周組織の安静をはかる時、3)急性炎症や外傷によって歯が著しい動揺をきたしている時、4)食片圧入を防ぐ時、5)歯の移動や挺出を防ぐ時、6)歯の予後の判定のための観察など。
暫間固定の使用期間と方法の選択はおもに歯の動揺の程度によるが、そのほか歯列不正や欠損歯の有無、食片圧入の有無、MTM(歯の小移動)後の保定、最終固定の適否の測定、抜歯かどうかの判定など、種々の条件を考慮してそれに適したものを選択する必要がある。さらに機能性や審美性、患者の協力度なども考慮すべきである。暫間固定の使用期間は短いもので2~4週間、一般に3~4ヵ月であるが、1年以上行うこともまれではない。いずれにしてもリコールを頻繁に行って、咬合の異常やその他の障害が生じていないかどうかを監視していかなければならない。暫間固定は、その維持形態から内式暫間固定と外式暫間固定に分類されるが、詳細については各項目を参照すること。