歯冠歯根比
- 【読み】
- しかんしこんひ
- 【英語】
- crown root ratio
- 【辞典・辞典種類】
- 歯周病学事典
- 【詳細】
- エナメル質に被覆された歯冠と、象牙質に被覆された歯根との比という解剖学的な比率と、歯槽窩より挺出している部分を歯冠とし、歯槽窩内の歯根との比を臨床的な比率とする2種類がある。
歯冠歯根比は歯冠の幅、咬頭の位置と形態とともに歯周組織に挺子の力を加えるものの一つである。これは歯の安定性に影響し、この挺子の力の性質は骨によって支持されている部分(臨床的歯根)の大きさと、支持されていない部分(臨床的歯冠)との比率により左右される。臨床的歯冠長が増加した場合、好ましくない挺子の力が歯周組織に加わる。歯根に解剖学的な形態異常がみられる場合、臨床的歯根が短くなっていることがある。あるいは歯槽骨が消失したために短くなっている場合もあるし、またこの二つの因子により短くなっている場合もある。臨床的にこの比を計測するには、正投影法によるX線撮影することにより判定する。