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歯根破折

【読み】
しこんはせつ
【英語】
root fracture
【辞典・辞典種類】
歯周病学事典
【詳細】
強い外力が作用すると歯を構成している硬組織が損傷される。これを歯の破折と呼び、歯根部におけるものが歯根破折である。好発部位は根側1/3の所、つぎに根尖部で横折が多い。破折のために歯冠部が欠損していることもある。一方歯肉あるいは歯根膜で支持され歯冠の留まっていることもある。この場合には歯冠部が著明に動揺し、通常、歯髄も切断されていて強い接触痛を訴える。破折部が根尖に近い場合には歯の動揺を含めて特別の症状がなく、X線診査ではじめて破折の存在を知ることもある。処置としては、歯頸部に近い破折で歯冠が動揺しているものでは抜歯も止むを得ない。破折部が深く歯周組織の損傷も軽微で、歯冠の動揺もなく、かつ歯髄が生活している場合には、破折部が新生されたセメント質で満たされ、両破折片が癒着する可能性がある。癒着しなくとも結合織が破折片の間を満たし、著しい機能障害は起らないので特別の処置をせず経過の観察を行う。破折部が根尖に近く失活している場合には、歯根尖切除手術により破折部を除去する。