歯周膿瘍
- 【読み】
- ししゅうのうよう
- 【英語】
- periodontal abscess
- 【辞典・辞典種類】
- 歯周病学事典
- 【詳細】
- 歯周ポケットが食物残渣その他のなんらかの原因により閉鎖されたり、また歯周ポケットから深部の歯周組織に、化膿性炎症が波及した場合などに歯周膿瘍が形成される。糖尿病患者やその他全身抵抗力が減弱している状態では、歯周膿瘍に移行しやすい。強い歯ぎしりやくいしばりがある場合は歯周膿瘍が多発しやすい。歯周膿瘍は急性、亜急性、慢性に区別される。急性歯周膿瘍は急激に発症し、強い炎症症状を示す。慢性歯周膿瘍は歯周ポケットを中心として膿瘍が形成され、ポケット壁は膨隆するが炎症症状は強くなく、機能障害をはじめ自覚症状は少い。亜急性歯周腫瘍は強くはないが炎症症状をはじめとした自覚症状が存在している場合で,急性と慢性の両方の症状を示しているものをいうが、急性よりむしろ慢性に近い型を示すのが普通である。処置としては症状に応じ、ポケット底を経由して行う根面への沈着物【原因】除去―排膿誘導療法、また膿瘍部肉芽組織掻爬療法、さらに切開、排膿療法およびフラップ手術などを行う。