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歯周ポケットの掻爬

【読み】
ししゅうぽけっとのそうは
【英語】
periodontal pocket curettage
【辞典・辞典種類】
歯周病学事典
【詳細】
狭義にはポケット掻爬(盲嚢掻爬)をさし、広義には歯肉剥離掻爬手術も“歯周ポケットの掻爬”という性格を有していると考える。“掻爬”本来の意味は、キュレット形状の器具を用いて異物や病変部を掻き取る、こすり取る、削り取る、といった操作をいう。したがって“歯周ポケットの掻爬”という場合には、根面と軟組織の両面の掻爬を意味している。また歯肉掻爬と歯肉縁下掻爬とを、それぞれ歯肉の炎症を治癒させる目的と、これに加えてさらに再付着させるという目的とに分けて定義しているものもある。歯周治療では、ポケット掻爬と類似の操作にスケーリングとルートプレーニングがあるが、それぞれの意味は区別して理解すべきであろう。歯周ポケット掻爬の目的はポケット上皮の除去、炎症性結合組織の除去、歯垢やその他のポケット内異物すべての除去などの操作を行うことにより、歯と軟組織の再付着を得ようというものである。術後の歯肉の形態変化や歯根の露出は他の外科処置よりも少いという利点はあるが、技術的に難しいことと治療時間を長く要するという欠点がある。ことに深くて彎曲したポケットや分岐部病変を有する臼歯に適用するのは、非常に困難である。したがってこのような場合は適応外であろう。