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歯肉弁側方移動術

【読み】
しにくべんそくほういどうじゅつ
【英語】
laterally repositioned flap operation
【辞典・辞典種類】
歯周病学事典
【詳細】
歯肉弁側方移動術とは、歯肉歯槽粘膜境まで歯周病変がおよび1歯または2歯に歯肉退縮が起っている場合に、歯周病変の再発を予防し、審美性などを回復するのを目的として行う、歯肉歯槽粘膜外科手術の一つで、露出した歯根部に隣在歯の歯肉を側方移動するものである。適応としては、一般に唇頬側に多くみられる限局した歯肉退縮で、歯根面が露出し付着歯肉が狭くなった場合で、これに隣接した歯肉には十分な幅の付着歯肉と口腔前庭が存在している場合である。術式としては、一般に多くの場合で供給側の歯肉弁として粘膜弁法partial thickness flap、あるいは粘膜骨膜弁法full thickness flapが用いられる。切開法は受給側では一般的に歯肉辺縁から欠損周囲約1mmを含んで、歯槽骨膜に達するV字型の垂直切開を行う。供給側では、歯槽粘膜内への斜めの縦切開である減張切開を行うと歯肉弁の移動は楽になる。抜糸は歯肉弁が受給側で十分定着したことを確認して行う。その時期は一般的にはおよそ2週間が目安となる。