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ファセット

【読み】
ふぁせっと
【英語】
facet
【辞典・辞典種類】
歯周病学事典
【詳細】
【同】咬合局面、咬合小面、咬耗面
咀嚼などにより歯がすり減って生じた小面のことをいい、咬耗(小)面、咬合小面、咬合局面とも呼ばれる。咬合機能を営んでいる歯には通常この咬耗(小)面がほとんどみられる。咬耗面は、咀嚼などの機能的な顎運動時の歯の直接的な接触だけでなく、食物などを介した間接的な接触によっても起り、また非生理的な顎運動であるブラキシズムなどによる直接的な歯の接触よりも特徴的な咬耗面を生じる。Broca,P.P.(1897)は咬耗の程度によりつぎのように分類している。0度:咬耗がない、1度:エナメル質のみに限局した咬耗、2度:一ヵ所あるいは多数ヵ所の露出した象牙質斑点がみられ、そしてそれらがエナメル質で囲まれている咬耗、3度:咬合面の全面象牙質が露出してみられる咬耗、4度:歯冠が歯頸部と同一の高さまで減少した咬耗。軽度の咬耗(1度ないし2度)部位は1)咬頭嵌合位を中心として機能的な顎運動時に接触すると思われる部位にみられるもの、2)咬頭嵌合位から相当離れた機能的にはあまり関係がないと思われる側方咬合位や前方咬合位でみられるものに区別し、機能的に関係ない側方咬合位や前方咬合位、後方咬合位でみられる咬頭頂や切縁部の咬耗面はブラキシズムと関係が大きく、ブラキシズムの重要な臨床症状とされている。また咬耗面は前方咬耗面、後方咬耗面、平衡咬耗面の3つに大別される。咬耗面咬合は平面となす角度によって咬頭傾斜角度がきまる。
咬耗が著しくなると、咬合面が大きな平坦面になるために咀嚼能率が低下し、咀嚼時に大きな咬合力が必要となり、歯周組織に咬合性外傷や咀嚼筋に機能障害を起したり、また咬合位の低下、咬頭嵌合位や下顎運動の不安定などにより、顎関節などの機能障害を起す可能性もある。